Monday, August 31, 2009

マダケと竹箍の技術 (写真、内容追加)

 今までのと違った内容のポスト、しかも長い空白の時間の後で申し訳ないけど、ここで皆さんに紹介したい人物がいる。アメリカで船大工をし、伝統的な和船の一つである「たらい舟」を製作している、アメリカ人のダグラス・ブルックスさん(Douglas Brooks)である。

 HPにご覧になれるように、ブルックスさんの作るたらい舟には竹箍(たけたが)という部分がある。この竹箍は実はマダケで作っているんだということに私の興味が湧いたのをきっかけに、このブログにもちょっと取り上げてみようかなと思ったのだ。
 ものすごく当然なことだけど、日本では竹は材料として数えきれないたくさんのモノに使われている。私は今年の春に竹工芸に携わりだしてからというもの、さりげなく使っていた、あるいは日常的に見かけていた様々なものが、実は竹が素材なのだということにどんどん気付いて、これもかという感じでその数と種類に圧倒されている。竹製品があまりない(あってもそれと他の天然材料とを見分ける目がなかなか育たない)アメリカを母国とする私が、なぜこんな肝心なところを見落としてきたのか、すごく不思議に思っている。一般論としての話だけど、日本に滞在する外国人を、何か日本社会・文化の本質的なところが見抜ける能力の持ち主とする話を私は時々聞くが、私自身の観察力といえば逆にすごく鈍いというか、乏しいんだろうなと思うことも多くなってきた。竹を割るなり剥ぐなりこの手で接触しているうちに竹の本質が分かってきているように、まだ経験が浅い、あるいは全くない世界というのはどれだけあるのか、自分が小ちゃくなるのが感じられる。
 いずれにせよ、私が竹に目覚めていくそういう過程の中で、このブルックスさんの竹箍もまた意外な発見のように感じられた。理由は二つあると思うけど、一つ目は生産量日本一ということで有名な大分県のマダケが遠い新潟でも昔からの工芸品の構造に取り入れられているということ。つまり、言い換えれば、私がマダケという種類の竹を知ったのは前述したようについ最近のことなのだけど、どれほど広く使われている竹なのかは少しずつしか分かってきていないので、たらい舟の竹箍もマダケだということは私にとってすごく興味深かった。それから、もう一つの理由は、ブルックスさん本人はもちろん外国人だが、外国人でありながら日本の伝統工芸の技術を自分のものにし、そして現在その継承、発信などに積極的に励まれている、ということ。つまり、私が今年歩み始めたばかりの同じ進路であって、ブルックさんは私にとってのいわゆる見本の人物像のような人間である。ブルックスさんの活動から見習えるものがきっとたくさんあるんだろうなと思いながら、竹箍というものを見ているのである。
 では、もっと具体的な話をすると、このたらい舟の竹箍は組み箍といって、長さ14m弱のマダケ4本で構成されており、4本とも大きな輪に編んだものが舟の本体に叩くようにしてはめられていく。竹はまず四つ割にして、それから大きな輪に組んでいくんだけど、その組む作業の補助として使う道具は組棒(くみぼう)というらしい(写真参照)。ブルックスさんの先生、藤井こういちさんが箍を組んでいるところ、そして出来上がったところが写真に見られるが、ご覧の通りその直径はかなり大きい。たらい舟の上の直径と下の直径とが若干違うので、その長さも正確でないとうまくはまらないのだそうだ。(たらい舟の製作風景の写真。)現在たらい舟の竹箍が組める人は、藤井先生が10年前に亡くなられて以来、ブルックスさんだけになってしまっているので、たらい舟の竹箍の技術継承はかなり厳しい状況に置かれていると言えよう。
  
  竹箍というと、もちろんたらい舟に限って使われているわけではなく、桶や樽にもよく見かけるもの(比較的小さい樽や桶ではねじ箍という形で)なのだが、それにも関わらず、水などを漏らさないという本来の役割がちゃんと果たせるものとしての竹箍が組める人の数は多くはないらしい。私が周囲に訪ねてみた結果、大分県内では、臼杵で樽を製作している庄司正博さんという方以外、近くに竹箍の技術を持っていらっしゃる職人さんはなかなかいないではないかということだった。
  もう竹箍については最後になったけど、佐渡のたらい舟とブルックスさんの活動についてもっと知りたい人は、ブルックスさんの本、佐渡のたらい舟—職人の技法を読むことをお勧めする。あと、もし興味のある方が相当人数でいらっしゃれば、竹箍のワークショップを行ってみたいとブルックスさんは言っている(もちろん、ブルックスさんの次回の来日のついでに)。マダケを豊富に使っている大分県の職人さんなどにとって、マダケのもうひとつの活用方法を知るいい機会になるではないかと思う。
 以上のことについてご意見などあったら、是非コメントを書いていただくか、ご連絡をいただけると嬉しい。

3 comments:

  1. Very Interesting, more and more foreign began learning... keep traditional Japanese craft work in Japan alive!!!

    Thank you for sharing Douglas Brooks Tub boat wraping around with Madake (*bamboo) strip...
    stefanioshima@hotmail.com

    Keiji and Stefani Oshima
    Hendersonville, North Carolina USA

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